六年は組。牡羊座(3月)のO型。保健委員長。
呑気で大らか。お人好し。怒りの沸点は恐ろしく高い。
綾部の穴に落ちようと、小平太のボールをぶち当てられようと、笑って済ませられる。菩薩。
代わりに留三郎が怒って、何故か伊作が宥めに回るのが六はの日常。
沸点は高いけど、限界を超えると笑顔でキレる。手も足も武器も飛び出す。あくまでも笑顔で。
そうなったら、もう土下座して謝るしかない。仙蔵ですら。ある意味、六年最強。
穏やかと見せかけて意外と手が早い。主に仲間内だけで、後輩達には知られてない。
六年の間では「猫かぶり」「たぬき」とか言われてるけど、「文句あるかい?」の一言で黙らす。
成績は実技・教科ともに万年最下位。
実技授業は、もはや不運実例発表会。授業の終わりを無傷で迎えられた試しがない。
教科は不運発動の機会が少ないので平和…と思いきや、大抵テストで名前を書き忘れる。
ちゃんと名前書いた時は、終了間際に答案用紙に墨をこぼす。もしくは筆が壊れる。
もしくは解答欄をひとつずつ書き間違える。もしくは(以下略)
六年生まで残ってこられたのは、実習の成績と補習でカバーしまくった結果。
日常的な不運は、もはや宿命。でも半分くらいは集中力の問題。あと、危機感のなさ。
特に学園内・学園絡みの事は先生の管理下にあると思って、かなり気を抜いてる節がある。
授業も真面目に臨んでるつもりで、ついぼーっとして話を聞いてなかったりする。
進級かかった補習や、下手したら命に関わる実習は、死ぬ気で集中するから好成績。
元々、頭の回転は速いし、応用力や分析力にも優れてる。武器の扱いも下手ではない。
「いつもあれくらい真剣にやればいいのに…」と呆れられる事、多数。
本人はあくまで真面目。いかんせん、長続きしないだけ。
養父が薬草師だったので、入学当時から薬の知識やら手当ての方法やらには長けてた。
それを見込まれての保健委員会、だった。最初は。次期からは不運。
元々、薬の調合や人の手当てをするのは嫌いじゃないので、他人が言うほど悲観はしてない。
六年目の今では、すぐにも医者として独り立ちできるくらいの腕と知識はある。
【更に捏造甚だしい出自・家族妄想】
家族構成…母(30)、伊作。
母子家庭の一人っ子。勘右衛門と同じだけど、母が出家してるので母子関係は薄い。
五歳までは養父がいたけど、他界。伊作は今でも実の父以上に思ってる。
とある薬種問屋に奉公していた少女に、店の馬鹿旦那の手が付いて出来た子。それが伊作。
おまけに子が出来たと知られた途端、手切れ金付きであっさり店を追い出される。…不運。
ちなみに当時、母十四歳。ますます不運。
路頭に迷う寸前の母を面倒見てくれたのが、店に出入りしていた薬草師で、伊作の養父。
気のいい人で、小さい頃の伊作をかわいがってくれたけど、伊作が五歳の時に病死した。
母は伊作を育てながらあちこちに奉公したけど、男運の悪さが祟ってどこも長続きせず…
果ては妾奉公までして、それも旦那が死んで本妻に家を叩き出されるに至り、吹っ切れた。
何を思ったか伊作を忍術学園に預けて、自分は尼寺へ入った。その尼寺が「善法寺」
母子関係は微妙。お互いに気にかけているのは確かだけど、どこか他人行儀。
母は伊作を嫌いな訳でも、関心がない訳でもないんだけど、あまり母親としての情がない。
幼少期の伊作と母の間は養父が取り持っていた感じ。育児もほとんど彼が引き受けてた。
その為、伊作の性格や物の考え方は完全に養父の影響。
伊作が忍術学園に入ってからは年に数回会う程度なので、更に関係は希薄に。
既に親子というより、付き合いの長い元・同居人、くらいの感覚。
伊作に関しては、家族の縁に薄いイメージと、幸せな家庭で育ったイメージが同居してます。
で、「実母とはどこか隔たった母子関係。でも優しい養父にかわいがられた」という、この設定。
ちなみに伊作母のイメージは源氏物語の女三宮。源氏物語で一番好きなキャラだったりします。
(↑夫の源氏に冷遇された末、横恋慕した男との間に不義の子を産んで、出家したお姫様)
(↑恐ろしく省略した説明なので、『そんな人がいるのか』くらいに思ってください;)